今日は久しぶりに備前焼について少し。
備前焼の景色には【窯変(ようへん)】と
呼ばれるものがあります。
窯の焚き口近く、灰や炭が堆積する場所に
転がして置かれ焼かれます。
窯の内部でもっとも厳しい環境にある場所で
作品が割れたり、
くっついたり、
歪んだりと
完全な状態でとれる数が少なく
備前焼の中では
かなり流通数が限られる景色になります。
窯変の中でも
今回のテーマである【隈取(くまどり)】が
綺麗に出ているものは
特に珍重されています。
隈取とは
色合いの変化のある部分に見られる
茶色いラインのことで
おそらく歌舞伎の化粧法の名前が
由来だと思われます。
隈取 - Wikipedia
焦げ茶色に近く
くっきりとラインが出ているものが
良い上がりになります。
灰被りに
くっきりとした隈取、
そして抜けた部分が緋色。
これがある窯変は、
これぞまさしく炎の芸術
備前焼の王道といったところでしょうか。
綺麗な隈取のある窯変は
本当に見ごたえがあるので、
見かけられましたら
ぜひじっくりとご鑑賞ください。
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