山もみじ

擂鉢 多久守 -山もみじ-

 

いよいよ紅葉も終わり

寒い冬がやってきますね。

 

お店の山もみじが紅葉したので

一枝拝借して備前焼の擂鉢へ。

 

荒々しい土味の擂鉢は多久さんの作品。

 

豪快な石はぜや鉄分の吹き出しなど

野趣あふれる作品に仕上がっています。

 

備前焼を鑑賞していて

たまに黒い部分があり、

少し盛り上がっていたり窪んでいたりすることがあります。

 

人間でいうホクロみたいな感じです。

 

あれは鉄分が熔けて固まったものです。

 

備前の土には鉄分がたまに小石のような小さい塊で粘土に混ざっており

焼成時には熔けて表面に吹き出したりします。

 

焼成温度や大きさによっては鉄分が流れだし、

その部分がポッカリと空洞になる事もあります。

 

少し見た目が良くないので

作家は注意して取り除くようですが、

土によってはたくさん見られる備前焼もあります。

 

土に含まれる鉄分によって色合いの変化を出す備前焼、

このようなホクロはどうしても避けて通れないんです。

 

鉄分の吹き出しは土の個性として

暖かい目で見ていただければと思います。

 

 

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