つちのいろ

つちのいろ その1

つちのいろ その2

 

久しぶりに備前焼のこと。

 

うちのブログを見て和菓子屋さんや花屋さんと間違っていらっしゃる方が

いるのではないかと。

 

思い出しましたよ、

そうです、うちは備前焼屋です。

 

 

今日は備前焼の土の色について。

 

備前焼といえば、

焼成時につく胡麻や緋襷などの模様(景色)のきれいさが

購入時の重要なポイントとなります。

 

窯変などがその最たるもので、

その希少性から窯変の上りの良いものはとても人気がありますね。

 

きれいな窯変はとても魅力的なのですが、

今日お伝えしたいのは景色ではなく土の色。

 

土の色って茶色じゃね?

って思っている方も多いと思います。

 

実は備前の土は焼き方でいろんな色に変化します。

 

ざっくりいえば

酸化焼成すると赤っぽくなりますし、

還元焼成すると青っぽくなります。

 

 

同じ土、同じ窯で焼いても

まったく同じ色合いにはなりません。

 

この記事に掲載している画像の土も

同じ土、同じ窯でさやの中に入れて焼かれた兄弟ですが、

 

赤っぽくなったり青白っぽくなったりしているのが

分かっていただけるかと思います。

 

窯の中、

棚の上の場所だったり、地面に近い場所だったり、

焚き口に近かったり。

 

作品同士が重なり合って密の状態だったり、

ソーシャルディスタンスがちゃんと守られた場所だったり。

 

同じ窯で焼かれた兄弟同士でも

ほんのわずかな条件の違いによって、

ほんのわずかに色が違っていたりします。

 

どうでしょう、

備前焼の土の色に興味が出てきませんか?

 

個人的に備前焼の最大の魅力は

この土の色あいと表情だと思っています。

 

 

2点ともさやに入れられ藁もまかれていないので

窯変や胡麻、桟切、火襷の景色は全くついていません。

 

ただ土の発色と肌の表情だけです。

 

焼き締まった土ですが、触ると柔らかく

手にしっとりとなじんでくるのがとても心地よいです。

 

ほんのり赤みを帯びたつちいろに、

やや青みがかった生成りのつちいろ。

 

個性があってとても楽しいですよ。

 

備前焼をご購入の際には景色に目を向けると同時に、

土の色あいや表情にも興味を持っていただけると幸いです。

 

 

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