今日は備前焼の技法について少し。
先日、新着商品としてアップしました引出作品について。
どんな技法なのかを簡単にご説明してみたいと思っています。
引出とはその名の通り、
焼成中に高温の作品を窯の中から引き出して急冷をかける技法になります。
まだ高温で真っ赤な作品を窯から火ばさみなどで取り出し、
事前に用意しておいた灰やもみ殻の中へ埋めて急冷させます。
高温でまだ柔らかい状態のものを引き出すので、
火ばさみで挟んだ痕や棒をひっかけた痕がついています。
仕上がった引出作品の見た目の特徴は、
土肌の青灰色の発色と飴色の透明がかった胡麻。
急冷による強還元で土肌はメタリックな青灰色に発色します。
通常の備前焼の胡麻の景色はその名の通り
胡麻をすりつぶしたような色合いになりますが、
引出は飴色のやや透明な胡麻に仕上がります。
場合によっては緑がかったりと、その時の諸条件で変化します。
引出にも胡麻のかかり具合や発色具合など個体差があって、
通常焼成と同様に1点ものとして楽しんでいただけますよ。
引出の魅力はその希少性にもあると思っています。
引出される作品は、取り出しやすい場所へ置かれているものだけですので
ひと窯で数点、小さくて引き出せる形状の作品しか取れません。
急冷をかけるため破損のリスクもあり、数が少なくとても貴重な作品になります。
機会があれば、ぜひ手に取っていただきたい備前焼です。
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