みかん

サラダボウル 多久守 ーみかんをのせてー

 

天気予報では九州でも雪が降りそうとの事。

温暖な瀬戸内でも今日はかなりの冷え込みですね。

 

実家にあったみかんを拝借して

備前焼にのせてみました。

 

多久守作、サラダボウルへ。

 

穴窯特有の明るい景色、

カラッとした土味のうつわです。

 

使ってしっとりさせると

素晴らしいうつわに育つと思われます。

 

 

 

 

今日の言葉【穴窯】

 

穴窯とはトンネル状の窯のことで

焚き口から煙突まで内部に仕切りがありません。

 

筒状の窯の中に作品を詰めて窯を焚きます。

 

窯の中に仕切りがないため炎の通りがよく、

前方と後方の景色の違いがはっきりと出るのが特徴なんです。

 

酸化焼成が中心で、

明るくスカッとした印象の作品が多く取れます。

 

穴窯最大の魅力は、

 

炎が直線的に当たることにより

火前の作品が力強い印象に仕上がることでしょうかね。

 

 

現在備前でよく使われている登り窯は江戸時代に入ってからで、

それまでは穴窯が主流でした。

 

それでは、

なぜ備前焼は穴窯から登り窯で焼かれるように

変わっていったのでしょうかね。

 

それは登り窯の効率の良さからだと考えられています。

 

登り窯とは連房式登窯のことで

別名融通窯とも呼ばれていました。

 

窯の内部に仕切りを設け、

各部屋で炎をうねらせながら焼き上げます。

 

短時間で均一な焼成が可能で、一度に様々な景色の備前焼が取れます。

 

ひと窯で効率よく備前焼が取れることが

登り窯に変わっていった最大の理由でしょうかね。

 

穴窯は登り窯では出せないような力強い景色が魅力ですが

効率が悪く登り窯のような安定感のある備前焼生産には適していないようです。

 

江戸時代には

備前焼が苦境にたたされ、いかに効率よく短期間で注文品を生産できるのかが、

 

また、昭和時代には

備前焼ブームの到来とともに、焼けば焼くほどに売れる生産性の高さが、

 

備前で登り窯が多く普及した要因だと思います。

 

 

最近は逆に穴窯を築く備前焼作家が増えています。

 

備前焼ブームも去り、

どんなものでも売れるということは無くなり

 

備前焼が売れない時代の中で

生き残りをかけて取り組む作家には

 

効率的な登り窯よりも

魅力ある備前焼が狙える穴窯を選びたいと思うのは

当然のことだと思います。

 

個人的にはカラッと焼ける穴窯の土の表情が好きなんですよね。

 

 

※正しいあながまの表記は【窖窯】です。

当店ではイメージと変換のしやすさから【穴窯】を使用しています。

 

 

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