今日は曇っていますね。
やっぱり梅雨はまだ明けないんでしょうか。
さて、宗旦木槿が咲き始めました。
渡邊琢磨作、花入れへ。
胡麻の素朴な景色と胴部分に施された文様、
花を上手く引き立ててくれる花入れです。
小ぶりなのがポイント高いですね。
備前の花入れは大きいものが多く、
小ぶりな花入れはあまり作られてないんですよね。
なんでだろう・・
と、いろいろ考えてみたら
備前焼特有の理由が頭に浮かんできました。
備前焼はひと窯で大小さまざまなアイテムで窯詰めを行い
その組み合わせにより炎の流れをコントロールし景色を付けています。
例えば、
大きい壺の前に、壺よりも背が低い花入を置くと
焼成時に花入れが炎を遮ります。
壺に炎が直接当たる部分と当たらない部分を作ることで
景色の変化が生まれるわけです。
窯を焚くには大きいものや小さいもの
高低差のあるアイテムが必要なんですが、
花入れの高さが景色を付けるのにとても都合がよく
他のアイテムでは代用が利かないじゃないかと。
小さく背が低いものを花入れにして窯を詰めると
代用が利かないサイズの花入れにプラスされ
窯出しが花入ればっかりに偏ってしまいますよね。
また、サイズが小さく背が低いものには徳利、湯呑やカップなど
昔から良く売れる根強いアイテムが多く揃っていますからね。
売れないから作らないのではなく、
制約が多いからあまり作られないというのが私の推測です。
備前焼における
小ぶりな花入の市場は結構大きいんじゃないかと
思っているんですけどね。
気軽に野の花を生けて
様になるのは備前焼ならでは。
もっといろいろな形の
愉しめる小ぶりな花入れが増えていけば
備前焼業界も華やかになってくれるのではと思います。
コメント